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「えっと、そしたらあたしたちはどう並べばいいのかな」
「あ、ライラどうするの?」
「陸、連れてこい。四季、いいだろ?」
「もちろん」
「ちょっと、廊下汚したらひっぱたくからね!」
陸くんがライラを連れてくる間に、昔の写真を見て立ち位置を相談した。
だけど、人数も男女比も私たちとは違っていて、どうがんばっても再現できそうもなかったから、並び方は気にしないことになった。
「あたしは莉亜の隣ー」
「勿忘草を隠さないようにするのよね?」
「この間の芝桜みたいになるのか?」
「健太に言っておかないと」
「ワンッ」
「わ、陸くん、もう戻ってきたの」
私たち六人とライラの位置取りが決まったところで、ちょうどよく呉本くんが戻ってきた。
何度見ても高そうなカメラだけど、実際にいくらくらいするんだろう。
「ここにしようと思うんだけど」
四季さんが場所を指定すると、呉本くんは即答でこう言った。
「割と逆光だけど……」
「呉っちー、台無しだよー」
「そうだそうだ! 空気読め!」
呉本くんは至極まっとうなことを言ったはずなのに、ひどい言われようだ。
呉本くんの表情が少し歪んだ気がしたけど、気を悪くして撮影拒否なんてことにはならないよね。
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