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「……うん。いいんじゃないかな」
四季さんが満足そうな笑顔でそう言った。
どうやら一発オッケーのようだ。
「四季、見せて!」
「俺にも!」
少しして私たち大人チームにもカメラが回ってきて、みんなでそれを確認した。
「肝心の家があんまり写ってないけど、佐伯さんは普通に笑ってるじゃないか」
「うちの中庭だとはわかりますから、いいんじゃないですか」
「もしかしたら私、いつ撮ったのかわかってないのかも」
画面に写った私たちの表情は、逆光ではあるけどしっかり見えていて、みんないい笑顔だった。
呉本くんがカメラをセットする前にいろいろ操作してたけど、こんなにきれいに撮れるなんて思わなかった。
夕陽に包まれて、ちょっと青色が濃くなっているように見えた勿忘草も、小さい体を寄せ集めてしっかりとそこに咲き誇っていた。
その様子が身を寄せ合っている私たちに似ている気がして、すごくいいと思った。
今さら言えないけど、四季さんと呉本くんも前に来てくれたほうがよかったかも。
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