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「じゃあ、無事に集合写真も撮れたことだし、これにて今日の大掃除は終了だ。夕飯までは、各自自由に過ごしてくれ」
「呉っち、現像したらちょうだいね」
「わかってるから、その呼び方やめろ」
「この間の写真はまだ?」
「そう急かすな」
「かなちゃん、お風呂の支度はよろしくね」
「おっけー。今日はいつもより気合入れてお湯を張るよ」
「静子さん、夕食の準備、お手伝いします」
「あら、いいの? じゃあ、お願いするわね」
「四季、今日は飲めそうか?」
「うん。せっかくの連休だしね。今日は最後まで付き合うよ」
「ワンワンッ」
「はっは、ライラにも飯を用意しないとな」
こんな感じで、最後までにぎやかなまま、勿忘荘の大掃除は無事に終わった。
それでも今日という日はまだまだ終わらない。
このあとはきっと、いつもよりにぎやかな食事になる。
人がいなくなって静かになった中庭を一望する。
そして、誰にでもなく頭を下げた私は、こんな楽しい日がずっと続きますようにと心の中でお願いして、静子さんの待つ台所へと向かった。
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