第5話 親子

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 あ、私の話を忘れてた。  私の名前は竹中(たけなか)莉亜。とある事情で東京の実家を出た私は、現在求職中の二十五歳。  薬剤師の仕事を探しているけれど、急いで就職するつもりはなくて、ここでの暮らしに慣れながら、いい仕事が見つけられればいいなと思っている。  ここだけ切り取られちゃうと、私が一番ダメな暮らしをしている感じだけど、これからちゃんと仕事を見つけてがんばっていこうと思っているから、そこは見逃してほしい。  そしてもう一人、いや、もう一匹、大切な存在を忘れていた。  家の中にはいないけど、玄関を出たすぐ近くに、犬のライラがいる。  倉じいがよく散歩に連れて行っているけど、私もときどき同行させてもらっている。  倉じいや四季さんとは意思疎通ができているんじゃないかって、そう思えてしまうくらい賢い犬だ。  そんなわけで、個性豊かなメンバーがそろったここ、勿忘荘の日常を、今回もゆっくりたっぷりお楽しみいただけましたら幸いです。
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