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5.高校生時代②~英語で思い知った物語の見え方の違い~
さて、私も高校に通いながら漠然と抱いていた大学進学の道へ進むべく予備校等に通うことになる。
(今思うと、大学進学を許してくれた親には感謝しかない。)
中学の頃から得意科目が英語だったので、志望学科も勿論英語関連の学科のある大学だった。
文系故、苦手科目の数学から逃れることはできたが、国語はそうもいかなかった。
割り切ってあくまで「受験勉強の一環」として臨んでいた。(高校だとどちらかというと現代文も評論文に比重が置かれるようになったので、説明文好きとしては結構そういった面では楽しかった。)
英語も文章を辞書や覚えた文法を使って解釈していくのが楽しくなり、テストでもそれなりの点数をとっていた。
しかし、この得意科目でも私は「物語」の壁にぶち当たることになる。
高校2年生の時、英語授業に変化が訪れた。
文法の先生とリーディングの先生に分かれることになったのだ。
このリーディングの先生の授業やテストが私にとっては鬼門だった。
今思えば、かなりやり手の先生だった気がするのだが、とことん私の脳内と相性が悪かった。
そう、この先生はただ単純に和訳することをのみを求めるのではなく、それを読んでどう感じたか自分の言葉(英語)で述べる―俗にいう「読書感想文の英語版」を求めたのだ。
私は、単純に文法を理解することや単語を理解すること、文章を訳すことに快感を覚えた性質だったので、文章の感想といわれると思考が途端に止まってしまう。
まさか得意科目でもこのスパイラルに陥るとは…とがっかりしたものだった。
あと、これは英語というか…外国語独特の感じ方なのかもしれないが、英語の文章は意外と日本語以上に脳内イメージすることが難しい。
授業で「レインマン」を英語で読んだとき、それをひしひしと感じ取った。
私はどうも英語を暗号や今でいう謎解きのように読んでおり、新しい単語がでてきたり、熟語や構文で翻訳作業をして、ワクワクしたりしていた。
だが、"autism"=自閉症という言語で覚えられてもどんなものなのかそのイメージが湧いてこなかったのである。
結局訳することはできたものの、「何の話かさっぱり?」状態になってしまったのを覚えている。
その後、ふと「レインマン」のことを思い出し、何気なくパソコンで検索をかけた。
そうしたら元々この作品が映画でアカデミー賞を取った作品であることを知って驚いた。(というか授業した当時の先生は、教える時にそんなこと一言も言ってなかった気がする。当時は今ほどまだネットが学生に浸透していない時代だったのもあるが。あと映画だとバレると映画で答え合わせをしてしまう生徒がいるとでも危惧したのだろうか?)
しかも、演じていたのは海外俳優に関して無知な私でも知っているトム・クルーズである。(後々気が付いたところ、教科書のペーパーバック版にもトム・クルーズが堂々と映っていた…失念というか元々人の顔を覚えるのが苦手故、写真だけでトムだとは認識できなかったのだ。)で、改めて日本語で書かれた概要を見てみると
(なんか…私が脳内イメージしていた話と全然違う…)
と、軽くショックを受けた。
その後、そのレインマンを見たかというと、調べてそれっきりである。
日本語で内容を見ると「名作なんだろうけれど、好みではなさそうだ」と感じ取ったからである。
この映像と脳内で繰り広げられるキャラクターや物語に関するギャップは今でも数多くの作品である。
ハリー・ポッターも最初に読んだのが弟が買ってきた日本語訳版であったので、ダニエル・ラドクリフのハリーや名前を言ってはいけないあの人をビジュアルを見た時「こんな人なの!?」となり、すぐには脳内直結できなかったのだ。
確かにビジュアルは間違っていないのだが…脳内のハリーのイメージと少し違かったので別人のように見えてしまったのだ。
今だと、今秋(2021年現在)公開予定の邦画・「燃えよ剣」も好きな方々からすればそんな感じなのかなあ…と思う。
当時、友人の一人に親子そろって司馬遼太郎の大ファンの子(+新選組のディープなファン故に日本史の幕末はかなりの得意分野だった)がおり、その物語の深さについて熱弁していた。
なので、今度の映画化は彼女にしてみれば自分の中で十数年ものあいだイメージし、咀嚼していたキャラクターがいきなり、有名俳優の姿を取って現れることになる。
そうなると…
「えっ…こんなの〇〇じゃない」ってなるよなあ。
などとお節介な考えを抱いてしまった。
そして、これがいわゆる「解釈違い」というものかとも思った。
学生時代は結構葛藤したこれらの現象であるが、少し大人になった際に「まあでも人間自体の脳みそが多種多様なんだから、考え方も千差万別でいいじゃないか」とも思うようになり、周囲の雰囲気も教育も「みんな一緒!」から「それぞれの個性重視」に変わったのもあって…少し気が楽になったりもした。
(それでも相変わらず物語アレルギーは続くことになるが。)
そんなこんなで高校を無事に乗り越えた(?)私であるが、大学では結果的に自らその困難に突撃していくような真似をしでかすことになる…
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