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噛むように唇を重ね、乱暴に服を脱がせる。
下唇には先輩の歯があたり、しばらくじんじんと痺れた。
先輩が来るなんて思わなかったから、着けていたのは二軍の下着。
薄暗い夕方ならまだしも、今はまだ昼過ぎ。
せっかくのお愉しみなのに、これでは集中出来ない。
葬式にTシャツに参列するようなものだ。
そう思ったけれど、そんな心配は無用だった。
下着は見られることもなく、あっという間に剥ぎ取られていく。
先輩は、一言もしゃべらない。
たまに湿っぽい息が漏れるだけで、私の声だけが狭いアパートの中で響く。
いつもなら「いい?」とか、「ここは?」とか聞くのに。
もちろんそれは盛り上げるためであって、先輩は私がどこをどうされるといいのかはわかっている。
私の手首や腰を掴む力は、跡が残りそうなくらい強い。
腰はいいけれど、手首はまずい。
私のバイト先の制服は半袖だ。
断ったことをそんなに怒ってる?
そんなに早く愉しみたかった?
どうして先輩がこんなに怒っているのか、よくわからない。
そんな先輩に、私の躰はいつもより反応した。
壁が薄いことも忘れ、気が付けば無我夢中になっていた。
さっきまで兄がいた部屋。
そう思うと背徳感みたいなものも込み上げ、更に興奮した。
シーツも、枕も。
お互いの汗やら何やらで湿り、ぐっしょりと冷たく、重くなっていった。
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