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それは、私が担当するすみれ組のひとりの男の子のことです。
明るく元気に遊ぶ他の子達とは違い、物静かな男の子でした。
幼い姿に似合わない落ち着いた雰囲気のその子は、いつもみんなから離れたところにいました。
他の子ども達もその子に話しかけたり、一緒に遊ぼうとするそぶりを見せません。
私は、いつもひとりでいるその子がとても心配でした。
あきこ先生に相談すると、入園した時からそうなのだと教えてくれました。
別にいじめがあるわけでもなく、本人もひとりで過ごすことを望んでいるようだというのです。
いろんな子ども達がいるから、ひとりでいたがるのも個性なのだとあきこ先生は言いました。
しかし、私はその子を放っておくことができませんでした。
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