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正太郎は恥ずかしくなって、両手で顔を隠した。
「朱璃ちゃん・・・・!!もうやめて!!
お兄ちゃん・・・・恥ずかしくって死にたくなる!!」
朱璃は今までの仕返しの様に言い始める。
「あと・・・・優子さんが東京に帰る前日に、
お兄ちゃんが優子さんに告った事も、
優子さんに《彼氏いるんで》と、
振られた事も知っているよ。
優子さんが帰った後、お兄ちゃん・・・・
自分の部屋で現実逃避なのか?分からないけど。
河島英五さんの《酒と泪と男と女》を、
歌いまくっていたから」
正太郎は恥ずかしさで、もがき始める。
「もう~!!朱璃ちゃん!!
可愛い妹にその事を知られているとおもうと、
恥ずかしくって生きていけない!!
もう~!!いっそのこと!!殺して!!」
「そんだけ、お兄ちゃんは優子さんが好きなんでしょ?」
「まぁ、なぁ」
朱璃は優しく微笑む。
「あたしのお兄ちゃんは、カッコイイなぁ」
思春期の年頃になったせいか、
生意気になった朱璃から、
自分を褒める言葉が聞けて驚く。
「・・・・えっ!?」
「今日だけは褒めてあげる」
正太郎は嬉しそうな顔する。
「いやいや。いつでも、
お兄ちゃんを褒めてくれてもいいぞ」
朱璃は嫌そうな顔する。
「なに・・・・調子に乗っているの!?
お兄ちゃん、ウザいよ!!」
「本当はカッコイイと、思っているんだろう?」
「さっきまではねぇ」
朱璃と正太郎は、兄妹仲良くじゃれ合う。
天国のお父さん、お母さん。
あたし達は今日も、元気にやっているよ。
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