~私の家族~

6/6
前へ
/46ページ
次へ
正太郎は恥ずかしくなって、両手で顔を隠した。 「朱璃ちゃん・・・・!!もうやめて!!  お兄ちゃん・・・・恥ずかしくって死にたくなる!!」 朱璃は今までの仕返しの様に言い始める。 「あと・・・・優子さんが東京に帰る前日に、  お兄ちゃんが優子さんに告った事も、  優子さんに《彼氏いるんで》と、  振られた事も知っているよ。  優子さんが帰った後、お兄ちゃん・・・・  自分の部屋で現実逃避なのか?分からないけど。  河島英五さんの《酒と泪と男と女》を、  歌いまくっていたから」 正太郎は恥ずかしさで、もがき始める。 「もう~!!朱璃ちゃん!!  可愛い妹にその事を知られているとおもうと、  恥ずかしくって生きていけない!!  もう~!!いっそのこと!!殺して!!」 「そんだけ、お兄ちゃんは優子さんが好きなんでしょ?」 「まぁ、なぁ」 朱璃は優しく微笑む。 「あたしのお兄ちゃんは、カッコイイなぁ」 思春期の年頃になったせいか、 生意気になった朱璃から、 自分を褒める言葉が聞けて驚く。 「・・・・えっ!?」 「今日だけは褒めてあげる」 正太郎は嬉しそうな顔する。 「いやいや。いつでも、  お兄ちゃんを褒めてくれてもいいぞ」 朱璃は嫌そうな顔する。 「なに・・・・調子に乗っているの!?  お兄ちゃん、ウザいよ!!」 「本当はカッコイイと、思っているんだろう?」 「さっきまではねぇ」 朱璃と正太郎は、兄妹仲良くじゃれ合う。 天国のお父さん、お母さん。 あたし達は今日も、元気にやっているよ。
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加