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~桜も舞う~
世間ではゴールデンウイークで、
弘前市では桜まつりを行われていた。
桜まつりには市民だけではなく、
一目弘前市の桜を見るために
他県と外国から人が集まっていた。
朱璃は弘前市にある、
市立図書館でテストために勉強していた。
「・・・・」
そこに、幼馴染の隼人が朱璃を見かけた。
「・・・おぉ!?」
隼人は静かに、朱璃の向かいの席に座った。
「よっ・・・朱璃」
急に現れた隼人に、朱璃は驚く。
「・・・・隼人!?」
二人は少し近づき合い、小さな声で会話を始めた。
「図書館に無縁の隼人が、何で居るのよ?」
「何度もLINEしても返事が来なくって。
お前の家に電話したらさぁ、
優子さんだっけ?その人が電話に出て。
お前がどこに行ったのか?と聞いたら、
勉強のために図書館に行ったって、
聞いたからさぁ」
朱璃は呆れた表情で、隼人を見つめる。
「でぇ?電話してきたぐらいだから、
あたしに何か用なの?」
隼人はニヤニヤしながら言う。
「いや~・・・・街では桜まつりで、
皆でにぎわっているのに。
どうせ、彼氏いないお前の事だから。
GWなのに、勉強しているだろうなぁ?って思って。
せっかくだから、一緒に桜まつりに行ってやろうと、
思ってなぁ」
朱璃は隼人の対して、沸々と怒りに満ちてきたが、
図書館に居る事を思い出した。
そして、朱璃は満面の笑みを見せた。
「隼人・・・・言いたい事は、沢山あるんだけど。
まず、あたしに彼氏いないって言うだけど。
それは・・・・隼人も彼女居ないよねぇ?
だから、お互いさまでしょ?
あと、(シスコンの正太郎が原因で)
彼氏が出来ない理由は・・・・知っているよねぇ?」
怒りに満ちた朱璃の態度をよそに、
無邪気な笑顔の隼人は朱璃の腕を掴んだ。
「なぁ、一緒に桜まつりに行こうぜ」
無邪気な隼人の笑顔を見て、
《ズルい》って思いながら朱璃は微笑み。
「分かったから・・・・」
朱璃は素早く勉強道具などを片付け、
隼人に腕を引っ張れながら、
弘前の桜まつりの会場に向かった。
朱璃たちが図書館を出た頃には日が沈み、
空は暗くなって居た。
だが、桜まつりの会場の中と周りは、
ライトアップされていた。
遊園地に訪れた母と子の様に、
朱璃は隼人にあちこち出店などに連れまわれていた。
最初は嫌々で隼人に連れまわれていたが、
隼人が楽しんでいるの無邪気な笑顔を見て、
段々とどうでも良くなってきた。
いつしか、朱璃も桜まつりを楽しみ始めた。
ある程度会場の回って、朱璃たちはベンチで休憩する。
「いや~!!桜まつりは楽しいなぁ!!」
朱璃は出店で買った、リンゴ飴を食べていた。
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