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男性不信で縁切り神社に来たのに、男性を人助けなんて……。
丸顔で人懐っこい顔の優香は、心が傷んで小さく呻いた。お人よしな自分に呆れながらも、自動販売機まで駆け足で往復した優香は、ベンチのある木陰へ近づいた。
「しんどいですか? 良かったら、お水をどうぞ」
つとめて明るい口調で、優香は買ったばかりのペットボトルを差し出す。初めて優香の存在に気付き、男性は慌てふためいたように否定した。
「疲れてはいません。ただちょっと考え事をしていただけで……」
「でも、とても大丈夫そうには見えないです。何か悩みを抱えて沈んだままじゃ。せっかく決心した縁切りだってうまくいきませんよ」
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