【3話】自殺のプロセス2

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【3話】自殺のプロセス2

社会人。 夢も目標もないまま地元の工場へと就職。 価値観の形成に欠かせない学生時代に精神的ショックを受け、 ライフイベントで友人とのいい思い出は無く、鬱になりやすい状態で社会人を迎えることとなった。 人間不信でバイトもしてこなかった僕は会社で怒られてばかり。 当然だ。 教えられたこともできない、否定される日々。 精神は崩壊していく、頼れる存在もいない。 両親は話すら通じない。 しかし育った環境のせいにしたくない。 怒りたくないのに怒ってしまう自分に嫌気がさす。 孤独感と絶望、つまらない日々が続きネガティブ思考になりコミュ障が加速する。 自分の存在価値が見つからず、この生活がずっと続くのかと思った。 「これ、生きてるのか?」 「毎日同じ時間に通勤し、同じ仕事して自由を何も感じない」 「達成感や充実感もない、ただ日々のストレスを誤魔化しているだけ」 「おまけに生活範囲内にいる人間は人格否定までしてくる」 今の状態と刑務所にいるのって何が違うんだ? 僕は生きながら死んでいる。 「素敵な出会い、綺麗な恋愛、熱い友情、結局誰かの理想で美化した作り物(映画)だったんだ。」 「だってフィクションだもんな。そうだよな、、、。」 「でも人を傷つけ、騙してまで手に入れて生きたいとは思わない。」 「僕がおかしいのか?」 僕が地元で生活して育った場所はあまりにも僕が思い描くファンタジーの世界とはかけ離れていた。 そしてこの世界しか知らなかった僕は 「こんな世界に存在していたくない。」 精神が死んだ、次は肉体の死だ。 気がつけば包丁を喉に突きつけていた。 何度もカウントダウンを繰り返すが、、、できない。 死ぬ勇気すらないんだ。 『自分が嫌いだ。』 急に心臓が締め付けられるような痛みが襲う、手足が痙攣し体に力が入らない。 その場に倒れ込み、眠ることもできずだた無意味な時間が過ぎていった。 なんて情けないんだ。 色んな感情が渦巻き、情緒なんて不安定どころじゃない。 正気を保つことも難しい。 今までの事を振り返り、どんな時が1番楽しかったか振り返ってみた。 思い浮かんだのは映画を見ている時だ。 あとは思い出そうとしてもクソみたいな事しか思い出せない。 目標を決めよう。 そうだ、死ぬことを目標にしよう。 これが目標、達成するための取り組み。 このリストを紙に書いてみた。 よし、死ぬまでにやってみよう。 まずは退職だ。
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