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「はい。出ていいです。廊下に静かに整列」
廊下に整列した人数を確認する。
二回。
31。
隣のクラスも整列できたところで、順番に、校庭へ出ていく。
「うわばきでいいよ。そのまま出ます」
校庭にでて、一組の隣にきちっと整列すると、もう一度人数を確認する。
31。
よし。
「二組、全員避難しました」
1組の学年主任の石井先生に報告する。
「はい、了解しました」
そのままおしゃべりをしないように注意しながら、全体集会が始まるのを待った。
教頭先生が前に立つとマイクをもって、避難にかかった時間から、避難の大切さについて、話し始めた。
教頭先生の裏には、消防署からやってきたらしい偉い人が立っていた。
何人かの子供たちは、教頭先生よりも、校庭に止められた地震体験車と反対に止められた放水車に夢中だ。
「しー」
消防車に関する知識を披露したくてたまらない子がいる。
ちょっと注意すると、教頭先生の方を向いた。
教頭先生が、消防局の人を紹介して、マイクを渡す。
50代くらいの消防署の人が、子供たちに、今日の避難の大切さを改めて説いた。
同じことでも、教頭先生より、ユニフォームを来た消防職員が言うだけで、重みが増すのはなんでだろうか。
子供たちも真剣に聞いている。
「それでは、学年ごとに別れて、実際に体験してみましょう」
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