傷を舐める

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夕ご飯を一緒に作って、食べて、そんな普通の事をしているうちに、龍之介はちょっとずつ、いつもの様子になってきた。 単純に、普通の事をすることしか私にはできない。 龍は強い。 多分、私には耐えられないような思いをしているのに、ちゃんと戻ってくる。 ちゃんと生きてる。 そばに居たら、きっと、ちゃんと戻ってくる。 「柚。泊まってける?」 食器を片付けながら、龍之介がこっちを見た。 明日はまだ休みだから、泊まれるように一応、着替えはもってきた。 「うん。服、持って来たけど、龍は明日、仕事でしょ?いい?」 「うん。泊まって。朝、ばたばたするから悪いけど」 「それはいい。学校始まっちゃたら、そんなに会えないし、会える時に一緒に居たい」 「ん」 龍之介がクシャっと私の頭を撫でた。 最後のグラスを片付けて、手をタオルで拭いていると、いきなり、龍之介に後ろから抱き着かれた、と思ったら、また抱きかかえられた。 「うわ!」 「ははは。捕まえた。風呂、一緒な」 そのまま浴室へつれて行かれる。 あはは。 別に逃げたりしないのに。
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