傷を舐める

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その日は龍之介は夜も私を腕の中にぎゅっと抱きしめて寝ていた。 次の日、朝早くにアラーム音で起こされた龍は「ああー」と眠そうに叫んで、両手で顔をこすって起きると、私の肩にキスした。 「柚、寝てていいわ。俺、仕事だけど、勝手に鍵かけてって」 「んー、あ。いいよ。私も起きる」 家主のいない家にいるのは居心地が悪い。 妙なトラウマ。 こんなに好きで、近くにいるのに、私は弱い。 龍之介がキスをした肩をそっと撫でた。 大きな手が温かい。 「顔、洗ってくる」 龍之介が立ち上がって、仕事に行く用意をしている間に、私も起き上がって、服を着替えた。 龍が出かけるのと一緒に家を出て、自分の家に帰った。 明日から、仕事に戻る。 夏休みももうすぐ終わる。
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