傷を舐める

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小学校は行事が多く、水泳大会で水泳が終わったと思ったら、今度は持久走に向けて子供たちは校庭を何周も走る。 そして、音楽会が近づいて、合唱曲と、演奏曲の練習が続く。 低学年は、担任の指導なので、ピアニカとリコーダーで決めた曲を私も練習しまくった。 そのうえ、今年は職員演奏なるものをやるんだと、張り切られて、バイオリンで一節、チェロで一節弾けるように、練習している。先生の楽曲で、ギターのできる先生、ベースのできる先生、クラリネットができる先生と、先生の趣味が披露されることになってしまった。 龍之介の仕事のある週末に、本気でずっと練習した。 そして、小学校にヘンリエッタとマーカスを運び込んで、放課後に何回かリハーサルまでした。 「マーカス、すごいですね。水城先生と同じくらい、ありません?」 栗原先生をはじめ、何人かの先生に、サイズ感を揶揄われる。 「ありますね」 バイオリンの方は、下手なりに演奏会の経験があるからいいのだけど、マーカスに至っては、人前で弾くのが初めてで、かなり緊張する。 練習あるのみだと、リハーサルが終わると、また家に持ち帰って、週末練習した。
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