傷を舐める

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しばらく雑誌を見たり、コンビニでトイレを借りて、時間をつぶしていた。 飲み終わったコーヒーのカップを捨てて、雑誌を開いてぼーっとしていた。 勇気を出して、上がるべきなのか。 一旦、帰った方がいいか。 私は、心のどこかで、あの人の事、疑っているのだろうか。 今、どうとか、疑っているわけじゃないけれど、いつか、これが終わるかもしれないというのは、いつも心のどこかにある。 幸せはずっと続かない。 消える時は、一瞬で消える。 一瞬で消えるってわかっているなら、そこにあるうちに、思いっきり大事にすればいいのに。 意気地なし。 もやもやと雑誌を見つめながら、考えていると、トントンっと窓ガラスをたたかれた。 「柚?」 あ。 龍之介、来た。 「帰れたんだ。よかったね」 ドアを開けて、立ち上がりながら、そう言うと、龍之介が怪訝な顔をした。 「ん。大したことなかった。中で待ってればよかったのに」 「うん。まぁ。勝手に上がる気がして」 「勝手じゃないじゃん。俺がいいって言ったんだから」 「うん」
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