17:クエスト4 完了

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 コートとさよならをして、ようやく自分の家に戻ってこられた。どうやらまだお母さんは帰ってきていないらしい。 「あーマジで(つか)れた」  真っ先にソファーに()転がる志音(しおん)。 「でも、これで一件落着?」 「いやぁ、まだああいうのがたっくさんおるってことやろな」  律歌(りっか)の言うとおりだ。『オルビス・ナイト』のレビューには、私たちが遭遇(そうぐう)しなかった事件もある。 「だけど、コートは『今までは存在を消すっていう方法しかなかったけれど、アバターの生活を守ったまま事件を解決することができただけでも大きい』って言ってたよね」  一語一句間違(まちが)えずにコートのセリフを再現する琴音(ことね)。 「……まだまだ、(ぼく)が知ってる中でも迷惑(めいわく)プレイヤーは結構いるからね」 「やっぱりキリがねぇじゃん」  やってらんねぇと言って、志音は目を閉じてしまった。その姿を見た琴音は苦笑いをする。 「色んな人がいるし、プレイヤーにはプレイヤー、アバターにはアバターの生活もあるし、一回で全部解決するのは無理だよね」 「ホントだよ。迷惑プレイヤーはさっさと運営がBAN(バン)してくれればいいって思ってたけど、まさかアバターっていうものがいるなんてよ。コートが(なや)んでる気持ちが分からなくもないな」  私は目の前にある、チョコチップクッキーをかじった。ほんのりとした(あま)さが口の中に広がった。
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