17:クエスト4 完了

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「……(だれ)も言わないけど、さっきの演奏、今までで一番良かったよね」  ……あ。言われてみれば。 「私もちゃんと律歌に合わせられたし、音葉(おとは)ちゃんのソロも上手だったよね」 「うちはドラム自体の音がデカくて分からんかったな」  パッと目を開ける志音。 「確かに。レッスンで言われたこと、ほとんどできてたような」  なんか無我夢中で、余計なことを考えずに()いてたよね。 「うん、そうかもね。いつもみたいに『よし、ソロだ!』って思わなかった」 「()び伸びとしてる方がええんちゃう?」 「伸び伸びかー。レッスンの時は難しそうだね」  ということは、レッスンで先生から言われたことを、体が覚えるまで練習しろってこと?  ……うわぁ。  明らかにどんよりと暗くなった私を見て、スナップをきかせてスパンと私の背中を(たた)く律歌。ホント痛いって。 「うちもまだまだやからなぁ。せいぜい、みんなを引っ張れるくらいまでにはならんと」  さっきはうまくいったとしても、また同じようにうまくいかせるには、今の私たちではできないことだろう。  もっと練習しないと。私がGROSKを引っぱるんだ。  私の指に(がっき)の感触が戻ってきていた。一つの成功体験が刻まれる。
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