プロローグ

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プロローグ

「なぁ、帰ったら今日も『オルビス』やろうぜ!」 「やろうやろう!」  休み時間になり次の授業の用意をしていると、クラスの男子たちが遊ぶ約束をしているのが耳に入った。 「私も『オルビス・ナイト』やってみたんだけど、めっちゃ楽しいよ!」 「ホントに? じゃあ私も誕生日に買ってもらおうかな〜」  男子だけでなく最近は女子にも人気が広がってきているそうだ。  うわさによるとシューティングゲームのようなもので、世界中でも人気のゲームらしい。  昨日、家にあるタブレットで調べてみた。 『ついに日本上陸、近未来風オンラインゲーム「オルビス・ナイト(ORBIS NIGHT)」! (はば)広いプラットフォームに対応、お手持ちの本体ですぐにプレイできます!』  と、ネットでは紹介(しょうかい)されている。プラットフォームとかよく分からない言葉があるけど、要はいろんなゲーム機で遊べるっていうことだよね。  いいなぁ、私もやってみたい〜! でもさ〜、ダメって言われる気しかしないって。  原因は私の視線の先にいる、廊下(ろうか)で友だちと話している男子。あいつがいるから、なかなかお母さんに言い出せない。  ――志音(しおん)。私の双子(ふたご)の弟だ。 「ねぇ、おとー? 『オルビス・ナイト』持ってる?」  さっき「めっちゃ楽しいよ!」と言っていた友だちから、急に話題をふられた。 「持ってない。ほら、私がほしいって言ったら志音もほしいって言うでしょ?」 「あー、そっか。でも同時プレイもできるよ。一つのソフトで四人までプレイヤー登録できるし」 「そうなの?」  一つだけ買ってもらえれば、私も志音も二人でできるってことだよね。  それなら私もお母さんにお願いしてみよう! 「じゃあ音葉(おとは)、今日(うち)で『オルビス』やってみる?」 「いいの!?」 「ちゃんと教えるから」  私たちの周りにいた友だちも、遊ぶ約束に入ってくれた。  それだけみんなに人気なんだよね! めっちゃ楽しみ!
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