GAME

10/17
前へ
/17ページ
次へ
「そうでもないって。気持ちよくなかったら怒ってもいいし」 「なんの自信だよ、それは」  そんなセックス上手い自慢されてもなぁ。タチだかネコだかもわかんないし。俺は男経験ないし。 「俺、シンリさんが大好きだもん」 「……で?」  サラッと言ったな。今のは告白だと思ってもいいのか。でも、それより先にエッチしよ、って言われてちゃなぁ。イメージは良くないし、あんまり嬉しくない。何だかんだ言って、ヤリたいだけたろ。 「あれ? ダメ?」 「ダメっつーか……」  この流れで、これが真面目な告白だと思う方が難しい。ここで「ありがとう! 付き合う!」ってなるヤツ、いるか? 「あ、じゃあじゃあさぁー」  ヒロは立ち上がって俺に両腕を伸ばす。 「はい、飛び込んできていいよ!」 「誰が」 「ええー……」  あからさまに表情がくすみ、項垂れてしゅんとする。 「何で伝わんないかなぁ」 「無理だろ、それ信用すんの」  ……いや、ここまでギャグだったのかもしれないな。笑ってツッコめば済んだ話だったのかもしれない。俺が真に受けて、どうにかあしらおうとするからこのネタが長引いたのかな。  それなら、切り上げて仕事に戻ろう。 「ま、冗談はこれくら」
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加