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「そうでもないって。気持ちよくなかったら怒ってもいいし」
「なんの自信だよ、それは」
そんなセックス上手い自慢されてもなぁ。タチだかネコだかもわかんないし。俺は男経験ないし。
「俺、シンリさんが大好きだもん」
「……で?」
サラッと言ったな。今のは告白だと思ってもいいのか。でも、それより先にエッチしよ、って言われてちゃなぁ。イメージは良くないし、あんまり嬉しくない。何だかんだ言って、ヤリたいだけたろ。
「あれ? ダメ?」
「ダメっつーか……」
この流れで、これが真面目な告白だと思う方が難しい。ここで「ありがとう! 付き合う!」ってなるヤツ、いるか?
「あ、じゃあじゃあさぁー」
ヒロは立ち上がって俺に両腕を伸ばす。
「はい、飛び込んできていいよ!」
「誰が」
「ええー……」
あからさまに表情がくすみ、項垂れてしゅんとする。
「何で伝わんないかなぁ」
「無理だろ、それ信用すんの」
……いや、ここまでギャグだったのかもしれないな。笑ってツッコめば済んだ話だったのかもしれない。俺が真に受けて、どうにかあしらおうとするからこのネタが長引いたのかな。
それなら、切り上げて仕事に戻ろう。
「ま、冗談はこれくら」
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