GAME

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「もしも俺がさ、シンリさんの好みに変身したら付き合ってくれる?」 「どうだか」 「ダメなのは見た目じゃないの?」 「んー……」  元より、こいつと付き合うだのなんだの、恋愛に発展する気が一切ないんだよなぁ……。今は、あんまり熱心に恋愛のことを考える気分じゃない。それより、目前にいくつか控えてる締め切りの方がよっぽど大事だ。やっと、俺を指名してくれる仕事が増えて来たところなんだから、実績を作らないと。  ヒロが作業している俺の横顔をじっと見る視線を、痛いほどに感じる。 「……何で急にそんなこと言い出したんだ?」  画面から目を離さずに聞いてみる。この1ヶ月で何があったって言うんだ。 「好きだから」 「いつから」  ただの素朴な疑問。こいつがさっきセックスに言及するまで、俺は全くその気持ちを感じ取ってない。 「多分、最初から?」 「多分」 「気が付いたら、あー俺シンリさん好きだーってなってたから」 「ふーん」  聞いたからって何があるわけでもないけど、知らなかったな、それは。 「……シンリさん、何で聞いたの」 「うん?」 「興味無さそうじゃん」 「ないね」
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