折り句集
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【紫式部】
昔
(
むかし
)
の人も同じ空を見あげていただろうか。
雷鳴
(
らいめい
)
と共に空を駆ける雷が夏の終わりを告げる。
物寂
(
ものさび
)
しさも秋になると増してきて、音楽を聴いても本を読んでいても涙もろくなってしまう。
季節
(
きせつ
)
が巡ると時代も巡り、
初春
(
しょしゅん
)
の令月にして、気淑く風和ぐ「令和」となった今、
気品
(
きひん
)
ある式部の花を手に取って、今昔変わらない秋の空を仰ぎ、
文学
(
ぶんがく
)
を愛でる。
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