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「ところであなたは何者なの?私が『王女』ならあなたは『王子』?」
「そうですよ?僕のことも覚えてないだなんて、生まれ変わったとはいえ
心外だなぁ。僕は、あなたの婚約者、オーガ王子です。」
「うーん。」
「妖精は通常死なないのだけど、恐ろしい魔女が遠くの国からやって来て、
あなたに、一度死んで次は人間に生まれ変わるという呪いを込めた矢を放っ
たんだ。それで…。」
私、前世でそんな死に方したのか。
「王女さま?
この方は、あなたが亡くなられてからも
一度も心変わりをなさることがなく、ずっとあなたを愛して待っておられた
のです。
もう魔女は我が国の魔法使いが力を奪ったので心配はいりません。王国に
ずっと住まわれたら早起きする必要もありませんし、きっと楽しいですわ。
どうか、戻ってきてください!
私たちも、王女さまがいなければさびしくてさびしくて…。」
「うーん…でもそれは…。」
「どうでしょう?王女さま。」
「早起きしなくていい…のかあ…。」
「そうですっ。」
わあ、何言ってんだ、私。
「いやいや、やっぱりここを離れるわけにはいかないよ。
ていうか、もしかして一昨日の朝見てた?」
「はいっ!実は一昨日だけでなく、お顔を拝見したくて、何年も前からときど
き窓からあなた様を見ておりました。」
「え!?そんな前から?
……今ちょっと思ったんだけど、生まれ変わりなのに何で羽が生えたり、小
さくなれたりするんだっけ?」
3人がアイコンタクトを取りながらにこにこしている。
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