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「あぁ、、、」
トイレに500円玉を落としてしまった。
小銭があったのに横着して千円で缶ジュースを買ってしまったばかりに、そしてそれをポケット入れっぱなしだったのが行けなかったのだろう。
そんな些細な横着が悪運の連鎖を招くなんて気付かずにいた。
その翌日僕はいつものように朝6:30に起きる。
「よいしょっと、、」
いつもと違うのは少し体が重たく感じた点だった。
ああそういえば昨夜ハッと目が覚めたな。
しかしどんな夢を見たかを覚えていなくて身体が重いのはちょっとした寝不足のせいだと考えた。
10分程歩くと自宅から最寄りの駅に着く。
ポケットから定期を出し改札を抜けようとするが「オカシイな、、」定期がない。
わざわざ取りに戻るのも何なので小銭で料金を払おうとするが慌てて巻き散らかしてしまった。
昨日といい最近はよく小銭を落とす。何枚か拾い上げたけど、あとは面倒くさくなって結局紙幣で払った。
会社に着くと係長とバッタリ顔を合わせてしまった。
「おはよう、北条くん。そういえば一昨日の夜マージャンやった時の負け代、3740円払って貰わないと」
係長は細かいところに煩く払わないと毎日の様に請求してくるだろう事を知っていたので
「はいはい、ただいま」
やれやれとは思いながらも財布を取り出したが運悪く3730円しか持ってない。
「係長、すいません!10円足りないのであのー、、」
普通の人なら「ああ、いいよ、いいよ10円ぐらい」と言って負けてくれそうだがこの人は「ああ、じゃあ明日キッチリ払えるようにしてよ。3740円」と譲らない。
そして係長はタバコを買おうと自販機に向かって行き買おうとするが
「北条くん北条くん。タバコ代10円玉持ってないから出してもらっていい?なぜって、そりゃ利子代わりさ」と、とことん負い目につけ込んでくるのだ。
「係長。ちょっとひどいんじゃないの!10円がないくらいで!私が払って上げる」と言う寺田さんはしっかりもので美人の事務員さんだ。
「い、イイですよ!なんだか申し訳ないから」「いいからいいから遠慮しないの」
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