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「それって、本気????」
そう問うと「やだ〜、そんなにまじまじと見ないで!!」顔を赤らめながら言うではないか。
やべー、キタ〜。モテ期キタ〜!!
手を繋ぎ川沿いの歩道を歩く。ここは以前、ジャニーズの誰それがドラマでキスシーンを演じ話題になった場所だ。
寺田さんもこんな所に僕を連れ出すなんてホントカワイイなぁ。
「さむ〜い」と言って腕を引き寄せた。寺田さんの胸が当たりドキドキが止まらない。これはきっと本気に違いないと確信した。
思い切って肩を抱き引き寄せると嬉しそうに頬を腕に付けてきた。
「北条くん、相談があるんだけど、、、」
もうここまで来れば寺田さんは手中に収めたような物だ。
何でも聞いてあげる覚悟を決めた。
「実は、私が経理してるエリアのお客さんが、お金を支払ってくれないの」
寺田さんの担当しているエリアは会社でも一二を争う売り上げのお客さんがいる。そんな収益の良い経理を担当し、ボーナスも3年目にしてはかなり貰えるようで、それをやっかむお局様もいるようだ。
「それで北条くん、係長から鍵を取って来てもらいたいの、出来そう?」
「それってパスワードを盗めって事?」「そういうこと。出来そう?」
グッと体と顔を寄せて来た。こうなると抵抗出来る男は何人いるのだろうか考えてみた。
「いいよ。お安い御用さ」
そういうと「よかった」と一言呟くとまるで何事もなかったかのように寄せてた腕を離し
「バイバイ」とすたすたと来た道を戻って行ってしまった。
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