ありふれた、あたし達の話

2/11
前へ
/11ページ
次へ
 飼っていた犬が死んだ時、泣く人なんていなかった。  だってそう。いつか死ぬってわかっていたので、コピーを作っていたから悲しくなかったのだ。家族は。  私だけ、部屋に籠って泣いた。  なんて、悲しい『生』なんだろうかと嘆いた。  未来の、私の運命と一緒。  私が死んでもきっと、誰も悲しんではくれないのだ。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加