利 権

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「バカね」  私はあきれ顔で、後川内の瞳を真っ直ぐに見据えながら続けた。 「薬で何かを治したら、そこからまた新たな需要を作る。それが私たち薬品開発者の仕事なの。でないと商売あがったりでしょ。製薬会社も、そして私達も」  そう、先にイカリンを販売した理由はそこにあった。  先に女性たちをターゲットに製薬を販売する。その後、今度は男性をターゲットに製品を販売する。  これでより多くの人が、絶え間なくこれらの『商品』を購入してくれることになる。  順番が逆ではだめなのだ。  そう、  全ては、計画通りーー  商業的には…ね。
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