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次の日の夜もやってきた。
買っておいたキャットフードをあげる。
また次の日もやってきた。
3日目は来なくて、5日目にやってきた。
やってきて目の前で、ゲェッと何かを吐き出した。
ティッシュだった。
お腹が空きすぎてティッシュなんか食べたの?
これは食べちゃダメ。
お腹が空いたらうちにおいで。
「ね、お母さん。その子、首輪してあげようよ、うちで飼おうよ」
「そんなことしたらおばあちゃんになんて言われるか…。それにもしかしたら誰かの家の猫かもしれないし、もう少し様子を見ようよ」
「…うん」
ある日、ゴミ捨てに行ったら、害獣駆除のための罠に、あの猫が捕まっていた。
「えっ!あんた、なんでそんなとこに!」
私は慌てて罠の檻から出そうとした。
近所のおじさんがやってきた。
「あんたんとこの猫ならちゃんと、首輪つけとかないと!責任持って!」
「はい、すみません」
「だから、お母さん、首輪は大事だよ。もしもの時にうちの猫ってわからなかったら保健所に連れて行かれてしまって、わからなくなっちゃう」
「うん、わかった」
それから首輪をつけて、名前をつけた。
『チビ』
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