奇跡のにゃんこ

大反対

お姑さんの大反対にあった、わかっていたことだけど。
でも、娘がとことん言い張って飼うことになった。

家で入れるのはうちのリビングだけ。
決してお姑さんたちの部屋には入れないこと。

もともと野良猫だったせいか、夜になると必ず外に出たがった。
どんなに宥めてもダメだった。
出たがってあまりにもうるさいから、その声でまたお姑さんに怒られた。

外に出て、離れに行っては、朝方ネズミを獲ってきた。
野鼠も獲ってきた。
体が大きくなったので、避妊の手術を受けた。メスだった。

ある日ものすごく体が熱くなっていた。
高熱。
慌てて病院に行った。

「ネズミを獲ると、菌でこんなふうになるから、気をつけて」

3日ほど、熱が下がらず、可哀想だった。

「もう、ネズミは獲らなくていいよ、恩返しとかいらないよ」

4日目に熱が下がってホッとした。

その頃の私は、色んなことがありすぎて精神的に参っていた。
ずっと悩んで悩んで解決方法が見つからなくて。
実家のこと、家族のこと、友達のこと、ありとあらゆることがうまくいかない気がしていた。

そんな時にあらわれたチビ。
チビのおかげで、いつのまにか私は悩むことを忘れていた。
可愛らしいしぐさのチビを見て、笑えるようになっていた。

そうか、チビは私を救うためにきてくれたんだね。