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ペットロス
娘を自動車学校に送って行く時。
娘と友達が話していた。
「もしも猫が飛び出してきたら、私、自分がぶつかるとしても猫をよけるよ、絶対ひきたくない」
ずっとそんなことを話していて、私はすごく怒った。
「冗談でもそんなこと言わないで!猫も子どもも同じ。だから、事故をしないように運転してね」
その夜。
チビは帰ってこなかった。
いつも晩ご飯を食べに帰ってくるのに。
真夜中になっても声がしない。
近所を探し回ったけど、見つからない。
また、朝になったら帰ってくるよね?
朝早く、お舅さんに起こされた。
「前の道路で猫が死んでる、どうする?」
「えっ!」
私はすぐには確認できなかった。
娘を起こして、外に出た。
お舅さんはバスタオルにくるんで、抱えてきてくれた。
間違いなかった。
青い首輪に電話番号とチビの文字。
寝ているようにしか見えないチビ。
「多分、カツンと頭をひかれて、そのままだろうね」
娘と2人、大声で泣いた。
あんな話をするからだよ!
車に轢かれるとか言うから!!
わかってる。
家の前は田舎といえ、車は通る。
なのに外に出していたから…
後悔した。
どれだけ後悔してもしきれなかった。
火葬も考えたけど、リビングから見える花壇の隅にお墓を作った。
一人ぼっちにしたくなかった。
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