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あまねは優が自室にこもっている間、買い物をすませたり家事に勤しんでいた。すべきことが終わるとあまねは決まって紅茶を飲む。昔から、ゆっくりと紅茶を飲むことで自身の内面と対話をしたり、妄想することが好きだから。 「この身体、私のものじゃないってどういうことかしら?見えるところは私の身体そのもなのに。。。。」 身体の隅々を観察しても、知っているところにほくろ等の細部があることや、身体を自在に動かせるところを見ると、恐らく他人の身体ではないということは予想できた。 生活も落ち着いてきたころなので、そろそろ優と話をしたいと思ってはいるが、何となく直感が優との話をさえぎってくる。 そんな時に、また電話が鳴る。あまねが恐る恐る受話器を取る。 「こんにちは。あまねさん。だいぶ慣れてきましたか?」 あまねを知ったような物言いに、やはり初対面ではないことがはっきりした。 「あの、どちら様ですか?……こんな電話に何の意味があるんですか?」 「はは。すみません。これはただの僕の、自己満足です。」 声からもわかる嬉しそうなトーンに不気味さが増していく。 「そう、自己満足と共にあまねさんの安否を気遣っているんですよ。」 あまねは回転率の悪い頭をフル回転させ、とっさに安否を気遣う必要性について問いただしたかったが、一方的な会話で遮られてしまう。 「僕はあまねさんの味方です。あまり深く考えずに、今まで通りの穏やかな生活を送ってくださいね。」 あまねは恐怖と不審を感じつつも、謎の声に対して暗いけれども少し甘く優しいものに聞こえた。
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