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あまねは一人、暇を持て余していた。 いくらでもやることのある家事だが、大人二人の生活なのでどうしても自由時間の方が多くなってしまう。すると、心の中で様々な思いや考えが次々と自分に問いかけてくる。 私は6年間どこでどうやって過ごしていたのか。 謎の人の安否確認の意味とは。 優の態度に違和感があるのはどうして? 「家に帰ってきても、優、嬉しそうじゃあなかったよね。。。。」 最初は失踪前の喧嘩が原因かとも思ったが、一緒に暮らしているとどうしても優に対して妙な違和感を感じてしまう。。。。 あまねはしばし考え込んでいたが、「いけない、いけない!悪いほうへ考えちゃう。」と、負のループを止めるかのように声を張った。 「……そういえば、私って何が好きだったっけ?」 よくよく考えてみると、あまねは自分のことに無頓着なところがあり、いまだに自分のことでさえわからないことが多々ある。しかし、好きなものや趣味くらいはあったと思ったはず。 ――なのに出てこない。 (……。) あまねは、「自分のはずなのにどこか自分じゃない」という矛盾した何とも言えない気持ちに胸が苦しくなった。 一度確立されたアイデンティティが破壊されて修復不全を起こしているような。。。。 明るい方向へ考えようともがくが、結局は負のループに戻されてしまうのであった。
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