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夫はすぐに証拠を集め、内容証明を学校に叩きつけた。
その結果、体育教師は懲戒免職。
莫大な慰謝料を支払われることに。
勿論、妻にも慰謝料を請求し、離婚した。
依頼人は母親の方へとついていった。
父親が母娘を家から追い出したんだ。
彼女と体育教師の恋愛は瞬く間に校内に知れ渡った。
結果、彼女は酷いイジメを受け退学……
母親と共に誰も知らない遠い田舎へと去っていった。
そこで母親は水商売をしながら、慰謝料で作る羽目になった借金を返し続けている。
当然だが、母親だけの収入では成り立たないので、彼女も裏風俗で生活費を稼ぐ結果となった。
家族を失い、最早この先にあるのは地獄しかない。
明るい未来などないのだ。
自業自得としか言いようがない。
同情はしなかった。
しかし、疑問がある。
「絶望したのなら何故、自殺しない。殺し屋に頼るな」
俺の疑問に依頼人は言った。
「そんな勇気………私にはないわ」
――情けない。
依頼人の言葉に非常に情けなく思った。
とはいえ、依頼人はそれなりの金を持っていた。
「分かった。引き受けよう」
俺はこの仕事を引き受ける事にした。
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