魔女の血飛沫

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……… … 「みんな、命に感謝して…いただきます」 「「いただきます!」」 パパの合図で私とママが 声を合わせていただきますをする。 「カーミラもそろそろ眷属を作る時期か?」 「そうね、もう血の操作も上手だし」 家族3人で朝ご飯の食卓を囲みながら パパがそんな話を始める。 今日の朝ご飯はママが狩ってきた熊の血肉。 「…けんぞく?」 私は口いっぱいに熊の血肉を頬張り啜りながら、 パパの言ってた『けんぞく』について尋ねた。 「カーミラ、私たちヴァンパイアは  自分で血を作れないんだ。  だから新鮮な血を分け与えてもらうために  動物さんに私たちの血を少し与えて  主従関係にするんだよ」 「しゅじゅう?」 「うーん…主人と家来みたいな…  上下関係のことよ?」 「ママとパパみたいな?」 「…まぁ」 「ふふっ、そうね」 お家にいる時、いつもママはパパより強い。 そんな感じかーと思った。 なんでかパパは少し苦笑いだった。 「眷属にすると私たちヴァンパイアと同じ  長い長い寿命と身体能力を得られるんだ。  でも奴隷のようになってしまうから  常に眷属には感謝しなきゃいけないんだよ」 「んん、んんん?」 「ふふっ、簡単に言うと血を貰うために  一緒に過ごす動物さんを作るのよ?」 「ペット?」 「みたいなものね」 なるほどー! たまに狼さんの群れがお家に来るのは ママとパパの眷属さんだったからなんだ! 「私、ニンゲン?を眷属にしてみたい」 「おいおい、人間は怖いんだぞ?  彼らを眷属にしては絶対にダメだよ」 「えー…でも見た事ないし、  熊さんより小さいんでしょ?」 それなら私1人でも勝てるもん。 ニンゲンを眷属にすればクレヨン貰い放題だし! 「それでもだーめ。人間は私たちと同じよ?  言葉を話すことができて、心を持ってる」 「うぬぬ…」 「もしママとパパが奴隷みたいになったら  カーミラは嫌でしょ?」 「む…嫌…」 「でしょ?されて嫌なことはしちゃダメよ」 「…わかったー」 自分が嫌なことはしちゃダメとか… 命には感謝しなさいとか… いろんなことを守らなきゃいけないし 1人前のヴァンパイアは大変だぁ。
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