魔女の血飛沫

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……… … 「あれ…?」 山の麓付近まで来た私、 複数の蠢く群れを見つけた。 パパやママ、私と同じ姿をした群れ。 もしかしてあれがニンゲン…? 私は木陰に隠れながらその群れを見つめる。 「おい、貴様ら魔女だろう?」 「早く殺せ!異端者だ!」 「殺せ!殺せ!」 …なにかを取り囲んでる? 「っ!!」 私はその光景を見て絶句した。 「…くっ」 「あなた!」 ママと…パパだ…! なんで囲まれてるの? というかあれ何…? 2本の柱の間に糸で吊るされた刃、 刃の下には2人の首が押さえつけられている。 あの吊るされてる糸… 切れたらパパとママの首が… 「…ま、ママ…パパ…」 体全体を気味の悪い寒さが駆け巡った。 大抵の動物には勝ってきたのに、 今まで感じたことない感情。 カチカチと歯が鳴って震えが止まらない。 ハァハァと息が上がり、今にも吐きそう。 喉は何かが詰まって言葉が出ない。 あの生き物…なに…? あれがニンゲン…? 初めて…別の生き物を怖いと思った。
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