イヴァンとサスケ

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イヴァンとサスケ

 魔力が落ち着いた殿下は体に力が入らず、すぐにご自分の寝室に駆け込む。 眠った事を確認、周辺に誰もいない事を確認してからドア続きにある隣の自分の部屋へ。   一息ついた頃にヤスケが助けてくれと、駆けてきた。聞けばウィステリア様も殿下を好いていたと… それも初恋の相手だと!! サスケはあの一連のことは知らない。他の誰かと思っているのだろうが、ウィステリア様が言う黒髪はあの時の殿下に間違いない! お茶会にではなく、無事であったハットリに会いに行ったのだ。 その帰りにあの出来事があった。 なんという事か!運命としか言いようがない!神がウィステリア様を、殿下のもとに送ってくださったのだ。思わず天に向かって祈りを捧げる…落ち着こう。 ヤスケの大丈夫かこいつ、という目でスッと現実に戻る。   「殿下とウィステリア様は両思いとうことだな」 ヤスケに9年前の出来事を話した。 ヤスケも天を仰ぐ。しかし、   「色恋事は苦手だ。どうしたら一番いいのか分からない」    結界が張られた隣の部屋に、寝ている殿下の方を向いて唸る。荒い息をしておいでだったが、今はスースーとした息使いが聞こえた。  実は私にも分からない。妻とは貴族同士の決まった婚姻で、恋愛をした末でもない。貴族なら当たり前にあるお見合いだ。 頑なに人と深く関わらないジーク殿下と、忍姫をどうしたらなんて。変な汗が出てきた。  しかしだ。殿下の黒髪をウィステリア様に知られてもいいのか?という疑問に俺とヤスケはぶち当たる。 国王になる者が黒髪だと知られたら…今の所、ジーク殿下が黒髪だと知ってるのは、俺とヤスケ、陛下に皇后様だ。 またしても黒髪に阻まれた。なんとかならないのか…   「ミリア様に聞いてみると言うのは?同性同士なら何かいい案がでないだろうか?その上で黒髪の事を話しても、ウィステリア様なら大丈夫だろう」    黒髪と聞いて引かない令嬢がいるのか…いや、相手は忍姫だ。少しの不安を残して、俺はミリアを呼び出す。
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