不可侵領域を越えて

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パソコンの画面を見ながら頬杖をついている。白手袋をつけていて、依頼内容を見つめながら誰に仕事をふるか悩んでいる。 何でも屋を親友達と始め、今では大きな会社となっていてその社長をやっているのだが、俺は社長という物には不向きな気がして仕方ない。 『社長ー今帰りました!』 「おかえり優樹」 机に備えられた装置から声が聞こえてきた。俺は社長室に篭っていて、社員達が帰ったら各々の机の上にある装置で社長室の装置でやり取りが出来るようになっている。 優樹というのは親友の一人で小野優樹という名で、大型犬のように人懐こく笑顔も爽やかな青年である。オレンジ色の短めの髪に緑色の瞳で、赤いジャージを良く着ている。 もう一人は紺色の髪に淡い青色の瞳の椎名乃蒼という名前で体のラインがわかる服を着ていることが多い。この二人が俺の親友で、小学校からの付き合いだ。 だから俺が潔癖症なのを知っている為、何かと手を回してくれていて助かる。トイレも社長室から行ける俺だけの為の物が設置されているため、社長が来る前に出社し社員達が帰ってからしか社内にも出られない。 これに別段不便を感じた事もなく、客と直接会わなければならない時は二人のどちらかが会いに行ってくれるので助かっている。
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