不可侵領域を越えて

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つい先日高校を卒業した弟が、形だけの結婚式を上げるというので招待状が届いたものの俺は行かずに優樹に出席を頼んだ。 帰ってきた優樹は俺のスマホに撮ってきた写真を送ってくれて、弟達が幸せそうな写真が写っている。最初は反対だったのだが、今はお互い本気なのだと許してやった。両親は元々好きにさせてあげると言っていたが、俺がこんな状態なので織夜にはちゃんと嫁を貰って子を産んでもらい、両親に孫を見せてやって欲しかった。 『いつか兄貴にも良い人が出来て欲しいってさ。良い子だよな〜お似合いだったしさ?』 「俺には無理だ。好きという感情すら忘れたよ」 通信機での会話。小学生の頃初めて女の子を好きになり、誰も居ない教室で秘密のキスをしてみたが口内の雑菌が気になって突き飛ばしてしまい泣かせてしまった。それ以来人を好きになったことは無いし、セックスをしたいと思ったこともない。 二人は誰かとそういう行為をした事があると聞いた事がある。気持ち良くてたまらないと言っていたが。俺には全く持って理解ができないし、ましてや毎夜体を重ねていると弟に聞かされた時は卒倒するかと思った。 ペニスをアナルに挿入するなど、汚いにもほどがあるしどうやら棗君は織夜のペニスを舐めるのが好きらしいがそれも俺には理解しかねる。
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