不可侵領域を越えて

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ただただ性欲を部つけられ、気持ちよくも無い俺には苦痛以外の何物でも無い。誰か助けて…でも乃蒼も優樹も助けを求められなくて、俺には二人以外居ない事を思い知らされる。 「っ…!!」 咳き込んでしまい口を塞いだが、ごぷっと指の隙間から溢れでたが今の優樹には些細なことなのか、腰を打ち付けるのをやめてはくれない。 床をガリガリ掻いてしまい、爪がはがれて血が出てきて手袋を赤く染めてゆく。ぜぇぜぇ息をしながら終わるのを待つが、なかなか出してはくれず苦痛な時間だけが過ぎてゆく。助けを求めようと口を開けば、また血を吐いてしまう気がして口を塞いだが、痛みに耐えるためにまた床に爪を立ててしまう… このまま死んでしまうのではないかとさえ思うほど、目の前が暗くなってきた。また咳き込んで血を吐くが、優樹はまだ止まってはくれない。 「たすけっ…ゆ…きぃ…乃蒼ぁぁあ…」 「っ…!!!」 奥をゴリッとこじ開けてそこに白濁を勢い良く注いでくる。引きぬかれれば俺はドサッと倒れる。虚ろな瞳で優樹を見れば泣きそうな顔をして見下ろしていて、自分のした事を激しく後悔している様子だった。 服を正して社長室から飛び出して行ってしまう。指が痛い下半身が痛い…何より心が…痛い…俺は涙を流しながらわずかに残っていた意識を完全に手放した。
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