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「俺はこんなんだけど…本当に俺でいいのか?」
俺は恐る恐る言葉を紡ぐ。昼間一緒にデートとか出来ないし、セックスも満足にさせてやれない体なんだぞ?
「俺は色々付き合ってみたが、どうしても智恵しか考えられなくて女と付き合うのはやめた」
「お!俺だって気が付いたら智恵の事ばかり考えてて、だから乃蒼が先に抱いたって知って頭真っ白になって…」
二人は真っ直ぐ俺を見ている。こんな俺のどこがいいのかわからないが、それでも良いと言ってくれるなら俺はちゃんと向き合わなければ駄目だと思う…
「俺に…触れてほしい」
俺が言えば乃蒼が愛おしそうに頬に触れてきて、俺はその手に擦り寄る。優樹も近づいて来て俺に触れようとしたが、無理矢理抱かれた事に脳が拒絶反応を起こしているのかビクッと身構えてしまう。
あからさまに更にしゅんとしている優樹に俺から恐る恐る手を伸ばして触れてみる。涙目でまるで捨てられた子犬のようだ…まぁ子犬なら絶対に触らないけども。
「キス…して…?」
俺からこんな言葉を言う日が来るとは思わなかった。乃蒼が顎に手をかけ上を向かせてきて唇を重ねてくる。眉間にシワを寄せてしまうが、我慢をして受け入れる。キスもできなければセックスなんて絶対に無理だから…
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