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砂漠の大陸、ジャルバーラ
あたりは、砂山ばかりの急斜面が広がるばかりで
たまに見えるはサボテンのみ。
一歩、また一歩、歩くごとに砂にズボズボと足を
とられ、まるで進んでいるのかがわからない
錯覚に陥っていた。
太陽は、ちょうどてっぺんにささかかっており
砂漠では、一番暑い時間帯のはじまりであった。
ジリジリと、焼けつきそうな日射しに
ボロボロな茶色のローブをまとった黒髪の少女はとうとう、膝をついてしまった。
「あぁ……もう、ダメ……」
だんだんと砂漠の砂に埋まれていく黒髪の少女。
ただ、少女の至近に腰をおろす者がいた。艶々した空色髪・青い瞳に白衣をまとった一人の青年である。
その青年の不思議な雰囲気や瞳を見、少女は薄れゆく意識の中で暖かい安心感につつまれた……
『あぁ私は、たぶん助かるのであろう……』
少女は、なぜだかそう思ったのである。
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