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私の荷物は引っ越し業者に頼まずとも運べる量だった。
学生時代のアルバムとかは思い出の品のような物は両親が住む田舎の家に持って行ってもらうことにしたため、今の生活に必要なものしか残さなかった。
田舎の家は広いから収納場所には困らないと言われて両親は快く引き受けてくれたけど。
なら私も収納してくれたらよかったのでは……?
「娘をよろしくね!逢生ちゃん!」
「奏花のことを頼んだよ」
まるで嫁に行くのを見送るみたいな態度はやめてほしい。
「任せてください」
いつもより数倍、きりっとした顔で逢生は返事をしていた。
なにが任せてくださいよ!
両親はこれで娘が片付いたという顔をしてるし。
「よかったわね、奏花。このまま彼氏もできないで終わりかと思ったら、逢生君がもらってくれて」
「結婚が決まったら連絡するんだぞ」
「け、結婚?なに言って―――もがっ!」
「はい。もちろんです」
逢生の手で口を覆われ、何も言えない。
しかも、いつもの百倍増しでしっかりしてますオーラ出している。
ニセモノー!おまわりさん、この人ニセモノです!
いつ買ったのか、家のそばに車があった。
それも外車。
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