5333人が本棚に入れています
本棚に追加
「奏花は仕事ができるから、仕事量が私達より多いのよ」
「渓内さんは仕事ができるって俺らの会社でも評判だし、わかる気がするな」
「そんなことないです。寿実のほうが上司に認められてるし、信頼されていますから」
寿実がワインを飲みながら照れたように笑った。
そういう寿実も新人教育任されていて、上司からも信頼されている。
後輩からも相談を受けているのをよく見る。
「渓内さんと安西さん。仲いいんですね」
「私達、入社式からつるんでいたのよね。弘部君は仲いい女性多そうよね」
寿実はうまく探りをいれた。
これは弘部君狙いとみた。
「僕ですか?僕は意外と人見知りなんですよ。でも、今日は渓内さんと仲良くなりたいと思って参加したんです」
えっ!私!?
弘部君がちらっと私を見る。
これはまさか恋の始まり?
「それは嬉し―――」
私が最後まで言う前にざわっと店内が騒がしくなった。
……嫌な予感がする。
視線がその騒ぎの元凶へと注がれた。
「すっごいイケメンの三人がいるって」
「うっそ!本当!?」
三人―――もう嫌な予感しかしない。
振り向くのが怖い。
これはもうホラーだ!
最初のコメントを投稿しよう!