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そっと後ろを振り向き、心の中で『ぎゃあああああっ!』と叫んだ。
う、うん。イケメン三人が確かにいるね。
そのうちの一人は逢生だ、逢生がいるー!
ちょっとおおおっ!
ドイツにいたんじゃないの?
目があいそうになり、バッと前を向いた。
どうか私を見つけませんように!
そう心の中で願いながら顔を手で覆った。
「あれー?奏花ちゃん。奇遇だね?」
「久しぶりだな」
あっさり見つかった。
絶対に奇遇じゃないでしょ!
邪魔しにきたでしょ?
ねぇー!?
「どうしてここにいるのよ!」
涙目で声を張り上げた。
イケメンレベル平均以上どころか特級クラスの二人が笑顔を浮かべている。
女の子の心をわしづかみにしちゃうくらいの笑顔でね……
絶対わかっててやっているでしょ……
ピアニスト渋木唯冬さんとバイオリニストの陣川知久さん。
二人とも逢生と同じ年齢。
私の二個下なんだけど、なんとなく呼び捨てにできない。
この二人が持つ威圧感のせいで、つい『さん』を付けて呼んでしまう。
キラキラした空気が場を支配した。
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