第1話 ただの幼馴染ですから!

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「ジャジャーン」 仕事をしていると一枚の名刺が目の前を遮った。 もしもし? 書類が見えないんですが…… しかも、なにその効果音。 会社の忘年会でやった手品の時と同じ効果音よ、それ。 「ちょっとこれ見て、奏花(そよか)!」 名刺から視線を外し、ドヤ顔で笑う同じ課の同期を見上げた。 ショートヘアにキリッとした美人の同期、安西(あんざい)寿実(すずみ)。 サバサバした性格で狙った獲物(おとこ)は逃がさない肉食女子にして自称恋愛ハンター。 休みの日はデートがなければ、自分磨きでエステかジム。 私の休み? 私は昼寝です(キッパリ) 寿実のアクティブさを見習いたいくらい。 「いや、見てって……こんな目の前に置かれたら、嫌でも見えるからね?」 邪魔な名刺を手で横にどかした。 「今日の飲み会相手なの。行かない?」 「イベント会社の営業ね」 「そっ!イケメンが多いので有名なイベント会社さん」 企業的な知名度じゃないの?そこは? まあいいけど。 確かにイケメンが多いことで有名は有名なのよね。 うちの取引先の中でのイケメンランクはS級クラス。
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