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「ほんの少しの時間だけよ!?」
「奏花は警戒心が足りなさすぎるよ」
それについては反論の余地はない。
言葉につまる私に唇を重ねた。
悪い顔をしたまま。
「奏花は全部俺のものなのに」
これが逢生の本性なんじゃないだろうか。
体を自分のほうに向かせると、タオルを奪った。
「やっ、な、なにして」
明るいせいで体の隅々まで見えてしまう。
もがく私に逢生は笑う。
「今のは他の男に寝顔をみせた罰。それから、手をつないでいた罰もある」
知って―――逢生の唇が乱暴に私の唇を塞いで拒否することを許さない。
これはお仕置きなんだろうか。
自分のひざにまたがらせると、体を浮かせ、胸をすくう。
「あ、おっ……」
「もっと俺だけしか知らない顔を見せて」
指が下腹部をこすり、歯が胸の敏感な部分にあたる。
「あっ、んんっ」
思わず、こぼれた甘い声を手で塞ごうにもお湯の中に落ちてしまわないように逢生の体にしがみついているせいで声が響いてしまう。
これ、絶対にわざとっ―――ぐっと感じる部分に指が深くこめられて体勢を崩した。
「危ないよ。奏花」
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