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「は、あっ、んんっ」
いつの間にこんな逢生の体に自分の体が馴染んでしまったのだろう。
与えられる快楽が心地よくて肌をこすりあわせた。
お互いの触れる肌に安心する。
奥深くに熱いものが注がれた衝撃で達するとくたりと逢生の胸に顔を埋めた。
その顔をもちあげられてまたキスをされる。
「奏花。俺がどれだけ待ったと思う?簡単に手放すわけないんだよ」
梶井さんの『一人前の男の顔をしていた』という言葉を思い出していた。
私が初恋をした頃、もう逢生は私を想ってくれていたのに。
「うん……私をちゃんとつかまえていて」
じゃあ、もう一回ねと逢生が言って体にキスを落とした。
「ま、まだ!?」
「当たり前。まだ罰の一回目だったから」
二回も三回もないわよっと言いかけたのに唇を奪った。
「んむっ!」
「じゃあ、次は奏花が好きなように動いて」
無邪気に見える笑みはきっと悪魔の笑みに違いない。
力が入らない体をもちあげられて、またがらせると揺さぶられた。
「んうっ」
「また感じてる」
「さ、最悪よっ!」
逢生の憎たらしい顔にぱちんっと両手で平手打ちをして反撃した。
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