第1話 ただの幼馴染ですから!

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「行かねばなるまい……」 「は?なんなの、武士?」 違うわっ! 仕事になりそうになかったので、ちょっと休憩しようと立ち上がった。 私の職場は大きなビルの中にあるオシャレなオフィス。 壁面はグリーンで覆われ、フロアはウッド調。 カフェスペースには社員がいつでも飲めるようにコーヒーやココア、紅茶などのドリンク類やちょっとしたお菓子などが木の蔓で編まれたカゴに入っている。 すべて自社製品。 カルダモンとジンジャーの香りが際立つチャイを選んだ。 さすが我が社の製品。 うーん、おいしい。 「癒される……」 ガラス張りの窓からは近くの公園の緑や池が見えて、景観一つにも社長のこだわりが感じられる。 オフィスも素敵だけど、衣料品から食品まで素材にこだわるこの会社に就職したくて物凄く頑張った。 自然派の商品開発に力を入れる会社でシンプルな商品が売りだ。 しかも、念願の商品開発部。 大手小売店のプライベートブランドの商品開発も手掛ける商品開発部で働いて三年。 商品化された物もあり充実した生活を送っている。 「ねぇ、奏花。仕事が充実してるのはいいわよ?」
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