第1話 ただの幼馴染ですから!

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逢生は音楽院を卒業し、今はドイツのオーケストラにいると言っていた。 日報かってくらい毎日欠かさず電話がかかってくる。 今のところ帰ってくるとは聞いていない。 「本当にいいの?幼馴染君」 「別にいいのよ、別にっ!」 「よくないわよ。休暇だとか言って、また急に現れないでしょうね?」 「だ、大丈夫だと思う。今はまだドイツにいるはずだし」 「本当に?」 「う、うん」 たぶんね…… こくこくとうなずいた。 なぜか私の幼馴染は野生の勘なのかなんなのかしらないけど、昔から私に彼氏ができそう!やった!みたいな流れになると必ず奴がやってくるのよ。 ホラー映画かってくらいのレベルでね。 思わず、名刺を手にしたまま周囲をきょろきょろと見渡してしまった。 大丈夫よね? 忍者とか雇ってないわよね。 「じゃあ、奏花は出席ね」 「もちろん!」 飲み終わるといそいそと席に戻る。 今日の服、適当じゃなくてよかったー! 自社製品の商品を試すべく、オール自社製品の衣料品をいつも身に着けている。 今日のコーデはモノトーンで統一したジャケットとブラウス、パンツコーデ。
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