16 relation

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「安心もしてるけど、もっと知りたい。さっきからさ、栞が触れるのすげー安心するし、気持ちいい。栞にも、触れていいか?」  私は頷いた。支える腕に私が感じるのは信頼だったから。 「…ブラウス脱がしていい?」  私を安心させるために言ってくれるのはわかるけれど、かなり恥ずかしい。 「言わなくても、大丈夫だよ?嫌だったら言うから」 「でも、俺、栞に嫌な思いさせたくない」 「あの…ね。言葉にされると恥ずかしくて。陽平はたぶん私に嫌なことしないから。だから大丈夫」 「栞…」  抑えられないというように、陽平は唇を重ねた。手が私の肩に触れ、初めて体をなぞった。抱き締めるのとは違う触れ方に緊張は高まるけれど、優しくキスを繰り返してくれたから落ち着いていられた。ボタンに手をかけた陽平が、唇を離した。 「見ないで外せるほど、器用じゃなかった」  思わず吹き出してしまった。張り詰めた空気が少しだけ和らぐ。 「ほら」  陽平が見せた手は震えていて、不器用だからじゃなくて緊張していたことが分かった。 「自分で外そうか?」  そう言った私に悔しそうな顔をした陽平だったけれど、結局私の指先も震えていて駄目だった。目を合わせて笑ってしまった。 「じゃあ、栞は上から外して。俺は下から外すから」  こんな時に何しているんだろうと思いながら、私たちならこんな感じで良いかな、とも思った。私が二つ外す間に陽平は三つ外し終えていて、私は自分でブラウスを脱いだ。キャミソール姿の私を、眩しそうに見つめた陽平にまた抱き締められた。 「肌が触れるって、こんなに気持ちいいんだ」    陽平が呟いた言葉に、思わず頷いた。しばらくその状態でいると、陽平の手が私の腕をなぞる。 「・・・柔らかいな」 「陽平はすんごい筋肉質。左右でやっぱり違うね?右腕の方が太い」  私が腕に触れると、陽平は体を竦めた。 「だから、栞の手やばいって。気持ちよすぎ」  陽平が言う気持ちよいって、今私が感じているのと同じかな?  そんなことを考えていたら、陽平は私の首や肩を手でなぞった後、首筋に口付けながら、私を寝かせて上から覗き込んで言った。 「いいか?怖かったら言ってな?ちゃんと、止まるから」
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